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骨量不足の症例

骨量不足のインプラント治療：サイナスリフト（上顎奥歯での骨の高さ造成）の症例写真

レントゲンから、多くの歯が重度の虫歯で抜歯が必要になるのがわかります。前歯は根管治療を行えば残せそうですが、奥歯のあった部位には抜歯後にインプラント治療を行います。下の奥歯にも、インプラント治療を行いますが、ここでは、より複雑な上のインプラント治療の説明をします。上の奥歯を抜歯した後に、インプラント治療を行うには骨の高さが不足するのが分かりましたので、サイナスリフトを行う必要があります。

【左】CTレントゲンで、上顎洞内の状態と骨の高さの精査を行います。インプラントが埋入が予定される部位には、赤い点線でインプラントが描かれています。インプラントの先端が上顎洞内に入っていますので、骨の造成の場所と量が確認できます。

【右】少しずつ、位置をずらして骨と上顎洞の状態を確認します。

【左】左上のサイナスリフトとGBR（骨誘導再生）を同時に行います。前歯の部分は仮歯になっています。

【右】歯肉を剥離し、骨の状態を確認します。インプラントが植立されるためには、骨の幅が２〜３ミリ不足しています。また、写真の右上部分にサイナスリフトを行うための骨への穴をあけていきます。

【左】上顎洞の骨の側壁に、２センチ程の楕円形の穴をあけます。内側の粘膜を剥がし、スペースを作ります。また、骨の幅を増やす為に、GBRを行うので、大きい穴の下に、１ミリ程のあなを多くあけ、骨からの出血を促します。この血液中に骨を再生するための細胞が多く含まれます。

【右】骨充填材を中に詰めます。これで、骨の高さの造成を行います。さらに、骨充填材を外側に置き全体をコラーゲン膜で覆います。最後に、ピンで固定します。このようにサイナスリフトと側方へのGBR（骨誘導再生術）を同時に行います。

９ヶ月後、インプラントを埋入する１次オペを行います。骨の幅と高さは十分に造成できていますので、３本のインプラントを埋入しました。

【左】右側です。骨の幅は、インプラント植立には、ぎりぎり足りているので、サイナスリフトだけを行います。仮歯を外したところです。

【右】サイナスリフト時です。上顎骨の側壁に、２センチ程の穴をあけたところです。その後、骨充填材を詰めていきます。

９ヶ月後です。

【左】インプラント治療には、骨の幅は足りています。

【右】インプラントを２本埋入したところです。

上に合計５本のインプラントが骨の中に植立されているのが確認できます。