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無切開手術
(むせっかいしゅじゅつ)


CTによる精密検査とそのデータを元にコンピュータシミュレーションを行い、インプラントポジションを設定、その治療計画をもとに、3次元立体造形モデルと手術用ガイドを作製します。その手術用ガイドをインプラントオペ時に使用することで、歯肉への大きな切開、剥離することなく予定通りの位置へインプラント埋入手術を行うことです。

通常の手術に比べ、
1)術中の出血や術後の腫れ、痛みなどを軽減することができます
2)縫合や抜糸といった処置も必要ありません
3)手術時間が数分?数十分短縮され、治療回数が1回少なくなります。
と行ったメリットがあります。

この治療法には、いくつかの落とし穴があります。
1)手術用ガイドがほんの少しでもずれたときは、骨へのドリルの方向がぶれてしまうため、大きな事故に繋がる可能性があります。
2)内科的な観点からは、手術の適応は、通常のインプラントの場合と全く同じです。例えば、骨に穴をあける以上、当然麻酔は必要ですので、血圧のコントロールは必要ですし、糖尿の方はHbA1cがコントロールされていなくては骨へのインプラントの結合は出来ない場合もあります。
3)元来、フラップレスで行える程度の難易度の手術であれば、通常の方法で行った場合でも、術後の痛みや腫れはほとんどありません。

そして、最大の欠点は
術者である歯科医師がインプラントを入れようとしている骨の状態を直接目で見て確認することができないので、目をつぶってオペをしているようなものです

では、どのような場合、この術式が有効なのでしょうか?

下顎は、大きな動脈や神経がちょうどインプラントを入れる真下に存在するために、確実に骨を見ながらオペをした方がいいでしょう。実際に、死亡事故も起きています。

上顎の無歯顎に4本以上のインプラントを埋入する場合は、メリットがあるかもしれません。通常、4本以上のインプラントが必要になるオペは、切開や歯肉の剥離が大きくなりますので、術後に、腫れや、内出血がみられたり、痛みを伴うことがあります。

しかし、上顎は、手術のエリアに大きな動脈や神経が存在しないので、万が一、ガイドがずれたとしても大きな事故にはなりませんし、手術中に通常の方法に変更することで、インプラントポジションの修正が可能です。

ですので、しっかりとしたガイドを作成でき、それを骨に比べて柔らかい歯茎の上に寸分違わず固定することが出来るのであれば、無切開手術は有効だと考えています。



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